彼女志願!2nd

何度抱き合っても、泣きたくなるくらい幸せな気持ちになる。



「萌……」



肩のあたりに、穂積さんが額を押し付ける。

彼の吐息が熱い。

黒髪がさらさらと素肌に触れて、同じシャンプーの匂いがした。


好き。大好き。
穂積さん、大好き。

大好きなひととひとつになるってこんなに嬉しいことなんだって、奇跡みたいに素晴らしいことなんだって思い知るたび

この気持ちをひとかけらでも、文字に残せたらって思うんだ。


やがて緩やかに腰を動かし始めた穂積さんは、声を押し殺す私を見下ろして、優しく微笑む。



「どうして我慢、するんです……」

「だ、って……」



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