モノクロ
その日の夜は嫌な想像ばかりが私の頭の中をぐるぐると回っていた。
そろそろ23時。
まだ先輩と三神さんは楽しくご飯を食べてお酒を飲んでいるんだろうか?
それとも、もうお店は出てしまっただろうか?
お店を出た後はどうするんだろう。
三神さんは先輩に「よりを戻そう」と想いを伝えるんだろうか?
そう伝えられた先輩はどんな風に答えるのだろうか?
もしよりを戻したとしたら……二人はそのまま……。
「って、何考えてんのっ!? 私!」
つい二人がキスをしたり抱き合っている姿を思い浮かべてしまって、私は慌てて首を振って、その想像を頭の中から追い出そうと躍起になる。でも。
『隼人、エッチ上手いでしょう?』
三神さんが言っていた言葉を思い出してしまって、再び私の頭の中に二人の姿が浮かんでしまう。
先輩は優しく三神さんのことを抱きしめるの?
甘い言葉を囁いて、優しく甘いキスをして、そして……。
伊達に恋愛マンガを読んできたわけじゃない私は、想像力だけはきっと人より長けていて。
悲しいことにどんな想像もできてしまう。
……自分にはほとんど恋愛経験がないとしても。
そうやって、私は虚しすぎる夜を泣きながら過ごしていった。