モノクロ
 

「……さきこ、さすがにその叫び方は色気ないって。その変な驚いた格好も外ではやめとけ。くくっ」


私の目に映るのは、くすくすと可笑しそうに笑う紀村先輩。

あぐらをかいて、何の違和感もなく、そこにいた。

ままま待って、いつからいたの!?

私、入り口に立ってるし、もしかして最初から!?

ててててっていうか、初めて見る私服……!

先輩はデザインTシャツの上に、パーツごとに柄の違うおしゃれなシャツを羽織っていて、下はジーンズ。

すごくラフだけど、すごく似合っていた。

スーツ姿も素敵だけど……ギャップがまたいい!

それにこの前飲みに行った時もこっそり見ていたんだけど、腕まくりしたシャツの袖から覗く腕の筋がたまらない!

……って、そうじゃなくて!

はっと我に返って、私は真っ直ぐ立ち直る。


「先輩っ、何でここにいるんですかっ!?」

「俺が聞きたい。まぁ、佐山の悪巧みだってことは確信できるけどな」

「悪巧み? 人聞き悪いな。俺はかわいい後輩のために動いてるだけだ」

「やだっ! もしかして、二人とも佐々木さん狙いなのっ!? オフィスラブ的なっ? 楽しそうじゃないの~!」

「えっ? いやっ、あのっ」

「いいなぁ、いいなぁ~! 私もオフィスラブしたかったの~! 憧れる~! でっ? 佐々木さんはどっちを選ぶつもりなの!?」

「はいっ!?」

「あっ、私に遠慮なんていらないからねっ? 好きなようにどんどんやっちゃって!」

「!?」


な、何を言い出すんですか、若菜さん!?

ていうか、どっちを選んだとしてもシャレになりませんから!

一人は結婚している人だし、一人はすでに私をフった人……!

 
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