教室に戻り、自分の席に着く。

机から教科書を取り出した その時。

「桜さん。」

聞きたくない声が聞こえた。

「……ルーム長……。」

ルーム長の周りには、クラスの半分くらいの女子。

私は、怖かったけれど立ち上がる。

(……負けない。)

「あんた、あたしの言葉、聞いてなかったの?椎名君に近付かなきゃ、いじめないわよ。」

「…………。」

私に指図しないで。

そう言いたかったのに、私は、ルーム長を見つめる事しか出来なかった。

「もう許さないから!!」

どんっ。

ルーム長が私の机を叩く。

他のクラスメート達が気付いて、此方を見る。

「海崎!?」

葵ちゃんの声が聞こえる。

その時。

教室に居た全員が、固まってしまった。

ルーム長の後ろに居る女子が、手に持っている物を、周りに見せ付けたのだ。

彼女が持つバケツには、濁った、灰色の水。

「これ、何だか解る?」

ルーム長の笑みは、ぞっとする程 恐ろしかった。

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