「はぁ……。」

屋上へ出るドアを開けて、私は溜め息を ついた。

私だって、足手纏いには なりたくない。

でも、どう頑張っても、上手く行かないんだもん。

その時。

私は、屋上に先客が居る事に気付く。

柵に両腕を乗せ、空を ぼんやりと眺めているのは。

風に、長い銀髪を靡かせた――。










――椎名君だった。

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