「……椎名、君……。」

銀髪が、日の光に綺羅綺羅と輝いている。

私の呟きで振り返った彼の瞳は、ルビーみたいに透き通っていた。

しかし、椎名君は、直ぐに興味無さそうな顔をし、ふいっと、また空を見上げてしまった。

「……し、椎名君。」

私は思い切って彼に話し掛ける。

それでも彼は振り返らないので、私は彼の隣に並んで立ってみた。

元々 白い肌が、太陽の下で益々 白く見えているのに、どきっとした。

尖った顎、喉仏。

そんな所を ぼんやり眺めてしまって、私は はっと顔を真っ赤に染めた。

< 33 / 189 >

この作品をシェア

pagetop