闇
「……椎名、君……。」
銀髪が、日の光に綺羅綺羅と輝いている。
私の呟きで振り返った彼の瞳は、ルビーみたいに透き通っていた。
しかし、椎名君は、直ぐに興味無さそうな顔をし、ふいっと、また空を見上げてしまった。
「……し、椎名君。」
私は思い切って彼に話し掛ける。
それでも彼は振り返らないので、私は彼の隣に並んで立ってみた。
元々 白い肌が、太陽の下で益々 白く見えているのに、どきっとした。
尖った顎、喉仏。
そんな所を ぼんやり眺めてしまって、私は はっと顔を真っ赤に染めた。