合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず

水木君に重りを調節してもらい、わたしはマシンを動かした。

「軽めに思えても、後から結構きますからね。

無理せず、休み休みやりましょう」

「は~い」

年下でも師は敬うべし。

わたしは素直に頷いて、規則正しく足や手を動かす。

「春さん、呼吸も忘れずにね。

はい、吐いて、吸って、吐いて、吸って……」

水木君に先導されながら、わたしは呼吸と手足の動きに意識を集中させる。

力を入れる時息を吐いて、緩める時に息を吐く。

ナルホド、結構効くわぁ~

ものの五分もしないうちに、額に薄っすら汗がにじんできた。


どんだけ運動不足なのっ、わたし!!


それでも無心に身体を動かしていた。

「春さん、ダメダメ!

腕の力で動かすんじゃなく、こう肩全体を使って……」

と突然、後ろから水木君に抱き抱えられるように肩を掴まれて、わたしは一瞬ドキリとした。



コラコラ若者、オバサンをからかうんじゃないぞぉ~
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