合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず

「なんですか? 僕にアウトドアは似合わないと?」

「いや、なんだかイメージが合わないだけ。

いいんじゃない? 男らしくて」

とそこでわたしは山城を交えた三人の会話に違和感を持った。

「もしかして、水木君、わたしが山城と同じ会社だって知ってた?」

頭に浮かんだ疑問を口にした。

「えぇ、まぁ、職権乱用で知ってました。

でも、山城先輩が入社したのは去年ですから、春さんとの付き合いは僕の方が長いんですよっ!」

ちょっと誇らしげに胸を張って、水木君が主張した。

「一緒にいる時間は俺の方が蜜だし……

だいたいなぁ、水木の癖に、春さんにちょっかい出そうなんて百年早いぞっ!」

片足を座ったまま器用に繰り出して水木君に蹴りをいれようとする山城。

なんだか、二人して母を取り合う息子のような……


あぁ、眩暈がしてきた……


「いい加減にしてっ!

十も違えば、水木君も山城も、わたしにとっては大差ないよ」

わたしは耐え切れず、マシンから立ち上がった。

「帰る」

「えっ、今来たばっかりなのに?」

水木君が驚いてわたしを振り返った。

「ストレス発散に来てるのに、こんなとこいたら余計ストレスが溜まっちゃう」

わたしは着替える為に、ロッカーに逆戻りした。


なんでわたしが若造にからかわれなきゃならないのよっ!!
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