ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「はぁー…、笑った。」
かれこれ10分は笑ってたかな?
その間唯人君は照れながら怒り続け、もう呆れていた。
いや…、こんなにも照れるのは初めてだったんじゃないかな?
だから、疲れたのかな?
………可愛い!

「と、ところで!一ついいか?」
「何ですー?」
まだクスクスが止まらなくて、目じりの涙を拭きとる私に、唯人君が言った。

「なんで新島はメロンパン狙ってんだ?」
「…え?」
「いや、だから、なんでメロンパンが欲しいの?ってわけだ。」
「え………。」
「べ、別に食べたいから、でいいんだぞ?俺はそれでも怒らない。食べたいというのは、とても素晴らしい感情だと思うし。だけど今思えば気になるんだ。実際言ってしまえば、普通のメロンパンなら購買に売ってる。美味さは極上の半減だけど。単純に好きならそっちでもいいんじゃないかって思ったんだ。」
私がまた怒られないように考えていると思ったのか、唯人君はあわあわと説明をする。

あなたが好きなんです。
あなたと話したかったんです。
あなたに私と言う存在を知ってほしかったんです。
教室ではむはむとメロンパンほおばったり、友達と話してたり、ソワソワしてるだけでも十分だけど、もっとあなたを知りたかったんです。

…………言えない!!
絶対言えない!!!
言えるはずがない!!
どうしよう!!!

理由!?
メロンパンを狙う理由!?
どうしよう!!
嘘はつきたくない!!一応!!

えー!えー!えー!


「わ、私!!唯人君に憧れてたの!!!」
恥ずかしいけど、そう言った。

「…は?」
唯人君は、ポカンとしてた。
< 9 / 237 >

この作品をシェア

pagetop