君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「愛っ?行こうっ!!」


あたしは愛を連れて人が居ない端っこの方へ歩きバッグの中から小さいビンを取り出した。





「ママ、なぁに?」




「見守っていて貰うんだよ……」




そう言いながら1枚の紙を小瓶に入れた。



愛は不思議そうな顔をして小瓶を覗き込みながらあたしに向かって笑った。




愛の純粋な真っ直ぐな瞳があたしの心に突き刺さる。




その眼差しから逃げるように愛の頭を撫でた。





「翼?流奈の宝物……見守っていて下さい」





そう海の中そっとに落とした――




この世に生まれて来るべきだった


小さな…
小さな…赤チャンのエコーの写真を―――




翼に預けた―――。




「また来るからね」


そう海に向かって言うと、



「ばぁ~ばぁ~い!!」




そう海に向かって笑顔で手を振る愛を心から愛しいと思い………




お腹にそおっと手をあてた



“この子を抱きたい。生まれて来るはずだった赤チャン達の為にも………”


そう心の中で叫び




翼の居る海を振り返った





だんだん遠くなって行く
波打ち際………


だんだん遠くなっていく
砂浜………



あたしが1番、心休まるこの場所。





砂浜に付いては消えるこの足跡……………




あたしはまた振り返って
深呼吸をした





「次は秋の海に来るね」



そう海に向かい話しかけながら




あたしは、それを最後に
愛の手をしっかり繋ぎ



海を後にした




自然と顔が綻ぶのが自分でも良く分かっていた
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