君の隣で~☆星空☆続編~【完】
病院を出ると暑さで体がふらつき……



蝉のギンギン鳴く声だけが
あたしの脳の中に響き渡る。



電柱に止まっている蝉を見付け、あたしはそこで足を止めた。




“蝉って1週間の命なんだっけ………”



一生懸命鳴き続ける蝉が



あたしには何かを叫び続けているようにしか思えなかった。




「あっ…………!!」





蝉が飛んで行く先を目で追った。




“短い命――”




あたしは蝉の行き先から目を反らし、




ただ歩き続けた……。




「大丈夫っ!!絶対に大丈夫だよ!!!何かの間違えだってっ!」



1人でぶつぶつと言ってるあたしを、通りすぎる人が不思議そうな目で見て来る。



「大丈夫っ!大丈夫!!」






そうでもしなきゃ……


もう、あたしは前に進む事すらも出来ない状態だった


そうでもしなきゃ……



もう………
自分の全てを投げだしてしまいそうだった。




無理矢理にでも笑ってなきゃ、このまま歩き続けてさ迷い続けそうだった



だから…
笑うしかなかった――
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