君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「ただいまぁ~!!」


あたしは玄関で精一杯の笑顔を作り、



愛を実家に預けていた為に実家の玄関の扉を勢いよく開けた。



「おかえりなちゃい!!」
「暑かったでしょ?大丈夫?」


可愛い愛の声と、優しいお母さんの声に泣き出してしまいそうなのをぐっと堪えた。



「病院どうだった?」



「ああ、なんか検査したらね、ちょっと先生が不安な所があるみたいよ?だから紹介状………はい!」


あたしは、お母さんに詳しくは話さずただ紹介状だけを渡した。




「え!?どうゆう事?」


「よく分かんないよ!でも大丈夫っ!!ただ大きい病院のが家も近いしいいんじゃないかな」



はちゃめちゃな嘘を付いてる事さえ自分でもよく分かってた。



「明日……行って来なさい!!」


「明日は、いいよぉ」



「行きなさい!!」



そう真剣なお母さんの顔にあたしは一瞬固まった。



「分かったよ~!そんな恐い顔しないでよっ♪」



そう言いながら横目で
お母さんを見ると、お母さんは紹介状を持って静かに腰を落としてた。





何も悟られないように
あたしは空回りな精一杯の元気と笑顔で過ごしてた。



“きっと、間違いなんだから”



そう何度も何度も言い聞かせては今日の検査結果の話題に触れないようにしていた。




そんなあたしを悟っていたのは、





お母さん……
ただ1人だけだった。
< 123 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop