君の隣で~☆星空☆続編~【完】
看護婦サンがあたしの背中をさすってくれている。


その手は凄く温かくて、
あたしを落ち着かせてくれた。



「大丈夫よ、貧血で倒れただけよ……赤チャンは大丈夫だから安心して」




“えっ……?”




あたしは顔を上げて看護婦サンの顔を見た。




「大丈夫………!!」



一瞬、看護婦サンの笑顔に吸い込まれた。



あたしもこんな風に笑ってみたい……



涙で酷くなっているだろう
自分の顔を拭いた。




あの時の恐怖だけが甦り、また自分のせいで1っの小さな命が消えたのかと思っていた。




「良かった、本当に良かった」




そう言いながらお腹に手を当て笑顔で看護婦サンに言った。



「あたし必ずこの子を産んでみせるんだ」




そう言うと看護婦サンはさっきとは違う笑顔で笑っていた



一生懸命作った笑顔だと


あたしはすぐに分かった。
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