君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「…………だって。でも、あたしはこの子産むから」


病院から帰って来てみんなが揃った実家であたしは先生に言われた全てを話した。




みんな一瞬固まって、長い長い沈黙と共に時間は流れた。




「自分の命が亡くなってもこの子を産みたい」



沈黙の中涙ながらに話すあたしの言葉に、お母さんが口を開いた




「バカ言ってんじゃないわよ!!あんたが死んで、残された愛と赤チャンはどうするの!!母親がいないでこの子達は幸せになれるの!!お母さんは反対よ!治療に励みなさい!!」



「流奈、今回だけは自分を大切にしてくれ……始めにちゃんと治そう」



お母さんの後に旦那が口を開いた



お父さんを見ると…あたしから目を反らし、


お父さんの顔には涙が零れていた―――



「……んだよ!!何言ってんだよ!!ばっかじゃねぇの?確かにどちらを助けますか?って言う事態になるかもしれないよ、でも必ずしもそうなるとは限んねぇだろーが!!」



「反対よ」

「反対だ」

「まずは治してからだ」



そんな言葉が飛び交う中、あたしは涙が止まらなかった。




「おかしいよ、おかしいだろーが……。この子があたしの癌を教えてくれたの!!この子があたしを生かそうとしてくれたんだよ!!この子が出来なきゃ、あたしはどんどん進行して死んでたかもしんねぇーんだよ!!」




一瞬……
みんなの目が潤むのが分かった。



「なのに、あたしの癌が分かったら殺せ??おかしいよ……!!あたしの命を守った子を殺せ?!あたしにはそんな事出来ないから!!」




「待て流奈!!聞け」


旦那が言葉を発した瞬間、おもいっきり睨んだ。




「聞かないよ!もういいよっ!!あたし1人で産むから!!病院にも行かないから!」




そう言って愛を抱き実家を飛び出した―――。




悲しくて、



辛くて……



泣きじゃくりながら
愛を抱きしめた――――
< 134 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop