君の隣で~☆星空☆続編~【完】
ただ、夢中で歩いた……


行き先なんてない。


“ただ、赤チャンを産みたいだけなのに、どうしてみんな反対するの?流奈は大丈夫なのに”



悲しくて、


やりきれなくて……


お母さんの言葉を思い出しては泣き……


守の血相を変えた顔だけが脳に焼きつき……



普段大人しい、お父さんの目に溜まった涙を思い出しては心が痛んだ





「流奈っっ!!!」



あたしの後から怒鳴ってる守の声に気づき振り返った。



「来ないで!!!!!」



“なんで、なんで来るのよ、いつも追いかけて来て欲しい時には来ないくせに……なんで、こうゆう時に限って……”



愛が不思議そうに、あたしの顔を覗き込むと同時にあたしはまた歩きはじめた




守の足音だけが、近づいてくるのが分かった



「いったい!!!」


「待てって………」


今まで、守にこんな反抗的な態度なんて取った事なかった。


でも、今のあたしにはそんなのどうでも良くて……



守に捕まれた肩だけがとても痛かった。




「どうして……どうしてみんな分かってくんないの……。あたしの命が大切なように、あたしも赤チャンの命が大切なの!!!どうして分かってくんないのよ!!!」



「………」



「誰がなんと言おうと産んでみせる!!1パーセントの確率だろうがあたしは信じてこの子を産むから!!」




「分かったよ………じゃぁ、ちゃんと先生に話を聞きに行こう。俺も行くから」


「来なくていい」


「分かった、とりあえず戻ろう、愛を連れて赤チャン抱えて……みんな心配してるから」





「ママ!!帰ろう!!!」



《えっ………!?》



愛の言葉に歩いてた足が止まった



「愛…………っ」


「帰ろう!!ママ!!」



守があたしに微笑んで手を引っ張った。



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