囚われた、あなたの腕の下。

部屋に入ると、風が吹いた。

カーテンが揺れている。
窓は完全に閉めていたのに。

ソコには、キラキラとした破片がたくさん落ちていた。

床に……転がっていたのは、石。


膝から下が、カクンと力が抜ける。
もう……立てない。


「うっ……っつ」


あたしは、身体を引きずりながら、トイレに駆け込んだ。


「はぁ……う……」


止まない、嘔吐感。
気持ち悪い。

すると、背中をさすってくれる、優しい手。


「アラタ、く……」

「ごめん。ごめんね……愛理さん」

「な、んで……アラタ君が、謝るの?」

「……められないから」

何か、つぶやかれたけど、聞こえなかった。

彼が、謝るのはお門違い。

むしろ、そんな気持ちにさせる事が、申し訳ない。
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