囚われた、あなたの腕の下。

ガラスの破片を、片付ける為に、二人で近くのスーパーへ行ってほうきとちり取りを買った。

細かい破片は、先に掃除機で吸ってきたから、残りの大きな破片を取り除くだけだった。

二人で、並んで歩く。

その間の会話は、警察に連絡をしようと言うものだった。

実害だって出た。
立派な器物破損だ。

こんなに、やられたら流石に警察も動いてくれるかな?

なんて事を、ぼんやりと考えていた。

そして、家に帰ると……。

【カチャ】


鍵が……開いていた。

出る前、確認したから閉め忘れているはずもない。

アラタ君だって、一緒に確認した。

もう、ダメだ……鍵が、開けられるなら、あたしは間違いなく殺される。

そんな不安しか、襲ってこない。


「落ち着いて、俺が中見てくるから……」
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