囚われた、あなたの腕の下。

アラタ君の声が、聞こえる。
でも、何を言われているのか、サッパリわからない。

口に、ビニール袋が押さえ付けられた。


「愛理さん。ゆっくり……ゆっくり呼吸して」

アラタ君の声に、安堵を覚えた。

そこであたしは、再び意識が戻るのを確認した。


頭が、ついてこない。
そのせいで、今、起こっている事が現実なのか、わからない。


「愛理さん?平気?」


アラタ君に、呼ばれ……あたしはなんとか現実に戻れる。

座椅子に、もたれさせられると、アラタ君はスッと離れた。


「あのさ……トイレ、借りていい?」


そう言われ、あたしは頷いた。

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