ピエモンテの風に抱かれて

驚いたことに満面の笑みが浮かんでいた。あの冷やかな雰囲気はどこへやら、白い歯が印象的で実に爽やかである。樹里は不覚にも、一瞬だけ胸がときめいてしまった。




− うわ。サーシャったら、あんな笑顔もできるのね −





− あんな…えが……もでき… −







− …できる…ん…だ −






うつらうつらと目の前がぼやけると……。











「…ュリ…?」



「ジューリ? 眠くなったの?」

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