片恋綴
さよならをして電車に乗ると、自然に涙が溢れてきて、ああ、失恋したんだな、と実感した。

私は大好きな人に受け入れてはもらえなかった。

そして、大好きな人もまた、失恋をしていた。

ただ好きなだけなのに、それだけじゃ駄目で、どんなに想っても報われない恋があるということを初めて知った。

生まれて初めての失恋は痛いだけではなかったが、やっぱり辛いことに変わりはなくて、涙は止めどなく溢れてきた。

電車の中で泣く私を乗客は不思議そうな目で見てきたが、それも構わず泣いた。

泣くだけ泣けば、少しは想いが消化出来るかもしれないと思ったから。

私は、永久さんのことが本当に好きだったから。








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