片恋綴
別に、そのままで十分綺麗なのに。

そう思っても女の子達は綺麗になりたがる。

髪を染めて、化粧をして、お洒落をして。

それは恋の為だったり、自分の為だったり。

「そのままでも十分綺麗ですからね」

僕は千歳さんに言う。

──何故、琴子には同じことを言えなかったんだろう。

そう思うと、不思議と手が止まった。

「どうかしました?」

千歳さんが鏡越しに僕を見ながら尋ねてくる。

「……浩輔君て、どんな人なんですか?」

これは美春ちゃんが教えてくれた。

新規の客を紹介したいのだが、その人は琴子の彼氏の友人なのだ、と。僕は馬鹿だから変に強がって、新規の客は歓迎だよ、と返してしまったのだ。

それで美春ちゃんは彼女を紹介してくれた。



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