片恋綴
あ……この写真の人。
俺は彼女に気付いた。原崎さんを空中浮遊してる海月と称した人。
でもそれだけでは、三人がどんな関係かはわからなかったし、知る必要もないと思った。
理生はこんなふうな表情をする原崎さんの一面なんて知らないんだろうな、と思うと優越感と罪悪感が犇めいた。
それでも理生が原崎さんを好きな事実は変わらなくて、それも仕方のないことなんじゃないかな、と思えた。
……やっぱりどうしたって敵わない。
子供だからとか、大人だからとかじゃなくて、原崎さんは理生にとって特別な人で、そう思うのも仕方無いと思える程に原崎さんは魅力的な人で。
「……祐吾君、明日、俺達の命は終わるかもしれないね」
原崎さんの唐突な呟きに背筋が凍り、端整な顔を怒りで歪ませる佐南さんが脳裏に浮かんだ。
ああ、やっぱりらしくないことはするものじゃないかもしれない。