片恋綴
私の世界は基本的に私しかいなかった。私は私以外のことにさして興味なんてなくて、恋愛も論外、友人もいない。
そして自分のことだって外見には無頓着。日々穏やかに過ごしていければそれでいいと思っていた。
何もこれは特別なことではなくて、誰だってそうだと思う。それでも恋をしたり、友達と遊んだりする。
私はそれを素直に表に出しているだけだと思ってた。
私の世界に唯一入り込んでくるのは幼馴染みの永久だけ。それだけで十分な日々だったが、ある日それはがらりと音を立てて変化した。
それは祐吾君が私の世界に入ってきたから。否、私が祐吾君を私の世界に入れたのだ。
人はそうして世界を広げていっているのだと私は初めて知った。
そんなことに想いを馳せていると、ちりん、というベルの音が耳に届いた。自転車のものであるそれに、祐吾君の横顔が微かに綻ぶ。
それと同時に私の心は微かに曇る。
そして自分のことだって外見には無頓着。日々穏やかに過ごしていければそれでいいと思っていた。
何もこれは特別なことではなくて、誰だってそうだと思う。それでも恋をしたり、友達と遊んだりする。
私はそれを素直に表に出しているだけだと思ってた。
私の世界に唯一入り込んでくるのは幼馴染みの永久だけ。それだけで十分な日々だったが、ある日それはがらりと音を立てて変化した。
それは祐吾君が私の世界に入ってきたから。否、私が祐吾君を私の世界に入れたのだ。
人はそうして世界を広げていっているのだと私は初めて知った。
そんなことに想いを馳せていると、ちりん、というベルの音が耳に届いた。自転車のものであるそれに、祐吾君の横顔が微かに綻ぶ。
それと同時に私の心は微かに曇る。