片恋綴



「千歳ちゃんには優しくするようにしますよ。慰めなきゃならないし、そのうち」

俺の言葉の真意がわかったらしい佐南さんは眉をぴくりと動かした。

美春ちゃんはその横で話がわからない、という顔をしている。

「美春ちゃんにも優しくするからね」

俺が言うと、美春ちゃんは更にわからない、といった顔をした。こんなだから空中浮遊する海月とか言われるんだろう。

だって、優しくしたいと思うんだ。

佐南さんが大切に想う人だから自分も大切に想いたいって。

だから千歳ちゃんにも優しくしようかな、とか思ってた矢先、自体は変わりそうなわけで。





< 82 / 146 >

この作品をシェア

pagetop