あなたのギャップにやられています
そして、彼は少し屈んで、私の顔に近づいてくる。
なに、これ?
この状態から繰り出されるものをひとつしか知らないんですけど?
その予想通り、彼は顔を斜めに傾けて、いっそう近づいてくる。
なんだかわかんないけど、ここは目をつぶるべき?
軽くパニクっている私は、とりあえず目を閉じた。
けれど……。
すごく近くで木崎君の息を感じたあと、彼の気配が遠ざかる。
まさか、寸止めってやつ?
「今日はたっぷり可愛がってあげる」
はーっ、なに言ってるの、この人。
と思ったけれど、鋭い目で私をにらむ彼に圧倒されてなにも言えない。
「行こうか、冴子」
「えっ、はい」
完全にいつもと違う顔に変身した木崎君は、私が部屋のカギを開けると、そのまま一緒に入ってきた。