あなたのギャップにやられています

「本当に、すまない」


こんな私に頭を下げる部長に申し訳なくなる。


「いえ。部長には本当にお世話になりました。
私、部長がいてくださったからここで頑張れました」


それは本心だ。

デザインできない私が、それでもここで踏ん張れたのは、部長という理解者がいてくれたおかげだ。
しかもただの部下の為に人事に掛け合ってくれたなんて、きっと私は幸せものだ。

そうはいっても心の中はモヤモヤで、いっそゴリラを殴って辞めてしまいたい位だ。


私の為に落胆してくれる部長は、深く椅子に腰かけてやっぱりため息をついている。


「すみません、お昼に出ます」

「おぉ、行ってこい」


どうにも涙が我慢できそうにないと思った私は、デザイン部を脱出した。

< 368 / 672 >

この作品をシェア

pagetop