あなたのギャップにやられています

「私、やっぱり踏ん張るわ」


愛されているなら、私も愛そう。
どうしても、雅斗に成功してほしいから。


「えっ? なに?」


猫舌なくせにアツアツのチーズと格闘している百合ちゃんは、若干私よりドリアに夢中だ。
しかも、さっきの涙は食欲に負けたらしい。


「冴ちゃんさ、無理しすぎだわよ。雅斗君に全部話しちゃったら?」


半分くらい食べたところで、やっと百合ちゃんは口を開いた。


「話すって……」

「今のモヤモヤした気持ちを全部よ」


全部言えたら楽なんだろうけど、そうしたら雅斗は夢を捨ててしまうだろう。


「そんなことしたら、イギリス行かないもん、雅斗」

「それもそうねぇ」


盛大なため息を吐いた百合ちゃんは、豪快にナフキンで口を拭った。
その仕草に、ちょっと男らしさが見え隠れしたような……。
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