あなたのギャップにやられています
「雅斗がはっきり断らないっていうのは、やっぱり行きたいという気持ちがあるからだと思うの」
戸塚部長が、『断りそうな勢いだった』と言っていたけれど、雅斗の方からはっきり断ったわけではない。
「そうでしょうね。
今回のようなチャンスが、そうそうあるわけじゃないことは、雅斗君が一番わかってるはずよ」
「うん。私……雅斗の絵が好きなの」
私は今の一番の思いを口にした。
それは、自分自身の気持ちの整理のためだったのかもしれない。
百合ちゃんにこうして話を聞いてもらうのは、決して難しいことを百合ちゃんに決めてもらいたいわけじゃない。
きっと、自分の意思を確認するためなのだ。
混乱した思いも、口に出すと客観的に見ることができるようになる気がするのだ。