あなたのギャップにやられています
一瞬笑った堀川さんは、今度は雅斗に向き合った。
「でも、まだ結婚していらっしゃらないんですよね」
「はい」
「それなら、全力で奪いに行きます」
え……堀川さん、今、なんと?
「冴子は渡しませんよ」
「どうだか」
ダメよ。私のために争わないで。
なんて余裕のヒロインを演じている場合じゃない。
「と、とりあえず、仕事の話をしましょうか」
「そうですね」
裏口から物音がして、他の社員が出社してきたのがわかった私は、ここぞとばかりに話の方向を変えた。
このふたり、大人なんだか子供なんだか……。
ころころ変わる状況について行けないのは私だけなの?