あなたのギャップにやられています

奥の応接室に入ると、私はお茶を出して出て行こうとした。


「どこに行くの木崎さん?」

「えーっと、接客が」

「だって他の社員、来ただろう? この個展には君もかかわってもらうよ」

「あはは」


逃げ出そうにも逃げ出せないらしい。

"これは仕事だ"と、気合を入れてソファに座る堀川さんの後ろに立つと、雅斗が顔を上げた。


「早速ですが、お伺いしているのは、大小合わせて十八作品の展示ということでよろしいですか?」

「はい。大きいものが三作……あの、あれ……」


堀川さんの肩越しに雅斗が見つけたのは、堀川さんがリアンで買ったという雅斗の絵だ。


「これですか。これは私が気に入って買ったものです。売り物ではありません」

「そう、ですか」


堀川さんは、その絵の画家がまさか目の前の雅斗だとは少しも思っていないようだ。


「堀川さん、あの……」

「これは私が描きました」

「えっ!」


私がネタバレする前に雅斗が口をはさむ。



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