あなたのギャップにやられています

雅斗の描いた絵は、ひとりの女の子が星に手を伸ばして背伸びしている絵だ。
彼はこれが私だなんて言ったけれど、描かれているのは明らかに子供。

だけど私は、こんなに小さな頃からこの星を探し求めていたのかもしれないなんて思えてしまう。


「私達は、ずっと昔から同じ星を見てきた気がするんです。
だからあなたには渡しません」


雅斗は落ち着いたトーンで淡々と語る。
だけど、その言葉はスーッと胸に入ってくる。


「やっぱり、有名な方は自信満々だ」


いや、無名の時から私生活ではこんなだよ?


「有名無名は関係ありません。
冴子の前ではひとりの男。私は彼女とふたりで一人前」


恥ずかしい告白は英語でごまかしたくせに、今の方がもっと恥ずかしい気がするのは気のせいなのだろうか。
だけど、雅斗の言葉は私に自信をくれる。


「あー、お客様に失礼ですけど、なんだか腹立たしい」


堀川さんが珍しく苛立ってそわそわしている。

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