あなたのギャップにやられています
「今後あなたがどれだけ売れっ子の画家になっても、定期的にうちの画廊で個展を開くこと」
プッ。
今度噴き出したのは雅斗の方だ。
「商売上手ですね。
それじゃあ、これも付け足してください。
木崎冴子にここの仕事を続けさせることと、彼女には一切手を出しませんっていうオプション」
「それは別の契約書にしましょう」
さっきまで険悪な雰囲気だったというのに、どうしてこんなに変われるの?
ふたりでクスクス笑っているのに、私はキョトンとしてまるでついて行けない。
「冴子、聞いてる?」
雅斗の言葉でやっと現実に戻ってきた私は、「聞いてる」と慌てて返事をした。
「まさかねー、木崎さんだったなんてねー」
雅斗が帰った後、堀川さんに突っつかれて困る。
だけど「幸せそうだから仕方ない」って言ってくれた彼に頭が下がる。