あなたのギャップにやられています

よかった。
私的なことで職場で修羅場とか勘弁してほしい。
別に悪いことしてないし。

それに堀川さんも、私がフってしまったというのに、なにひとつ嫌味を言うことなく今まで通り置いてくれるなんて、度量が深い。

雅斗は雅斗で、私をこのままここに置いてくれと頼んでくれたし。
やっぱりここの仕事が好きだからうれしい。



画廊の帰りに、近くの駅で待ち合わせた雅斗がなかなか来ない。


「悪い。遅くなった」


慌てて走ってきた雅斗に不貞腐れた顔をしてみせる。
いつもいじめられてばかりでたまるか、と粋がったけれど……。


「戸塚部長がイーイマージュに戻ってこいって言ってくれて」

「ホントに?」


私のペースに持ち込むなんて、修行が足りないらしい。


「で、断るのに時間がかかった」

「断った、の?」

「あぁ、あそこには冴子がいないしな」

「でも……」

「堀川さんがうちで働かないかって電話が」

なに? それ。

< 634 / 672 >

この作品をシェア

pagetop