あなたのギャップにやられています
よかった。
私的なことで職場で修羅場とか勘弁してほしい。
別に悪いことしてないし。
それに堀川さんも、私がフってしまったというのに、なにひとつ嫌味を言うことなく今まで通り置いてくれるなんて、度量が深い。
雅斗は雅斗で、私をこのままここに置いてくれと頼んでくれたし。
やっぱりここの仕事が好きだからうれしい。
画廊の帰りに、近くの駅で待ち合わせた雅斗がなかなか来ない。
「悪い。遅くなった」
慌てて走ってきた雅斗に不貞腐れた顔をしてみせる。
いつもいじめられてばかりでたまるか、と粋がったけれど……。
「戸塚部長がイーイマージュに戻ってこいって言ってくれて」
「ホントに?」
私のペースに持ち込むなんて、修行が足りないらしい。
「で、断るのに時間がかかった」
「断った、の?」
「あぁ、あそこには冴子がいないしな」
「でも……」
「堀川さんがうちで働かないかって電話が」
なに? それ。