蕾は未だに咲かないⅠ
此処、和室の一室にあたしは相変わらず居座っていた。
多分、輔さんがココアを出してのんびりする空気を出した辺り、確実にあたしは軟禁される。でも少し、帰してもらえるんじゃないかと可能性を感じていたりする。
――…でもまあ、信じないよね。口外しないだなんて。
あたしが息をつくと、輔さんはちらりと汚れたままのあたしの制服に目をやった。
あたしはそれの意図に気づかなかった。
「…服、用意しないとね。」
「?…あの、お気遣いなく。」
「そういう訳にはいかない。申し訳ないんだけど、傷が治る三週間くらいは居て貰う事になると思う。」