Scarly Rules

〜恭平side〜


「恭平 助けて。」

ゆかのその叫びに
俺は一瞬耳を疑った。

ゆかが俺を…求めた?

そんなわけ、ないよな。

俺に助け求めたって、救われるわけが無いんだから。



でも。


「恭平…んぐぅぅぅ…きょッ…へい…んぐッ…」

何度も何度も呼ぶ声が
確かに俺を求めてる。


「…ゆか。」

ベッドに備え付けた腕の鎖を必死にガチャつかせてもがく姿。


仕方がない。

プラン変更だ。


「…マサ。おい、マサ!!やめろ。そこまでだ。」

一心不乱に腰を振るマサが
ゆかの口内で果てる前に

なんとか制して引き離す。


「…。」

思いもよらず寸止めをくらったマサは、なんとも言えない顔をしながら息を荒げて 鎮まることを知らぬ自分自身を、ただ無言で睨みつけてる。




「はぁ。はぁ…恭平…ありがと…。」

ゆか。微笑むんじゃねぇよ。
お前に礼をされる覚えはないんだ。



馬鹿みたいに喜ぶゆかには背を向け
俺は次なる計画に撃って出る。

「マサ…悪いな。計画変更だ。」

「お、おぅ。」




「今度は中に入れさせてやる。ゴムはしろよ?」

ゆかにもわざわざ聞かせてやった。


助けたわけじゃないって気づかせるために。
< 49 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop