Scarly Rules

雨に打たれた花



櫻 恭平(さくら きょうへい)。

26歳。一応歌手。バンド組んでる。

公益財団法人美扇 代表理事の御曹司。
ま、その親父は訳あってもういないけど。

金なら溢れるほど持ってるし、学生時代の成績は常にトップ。頭だって冴えてるさ。



けど 俺は少し…


いや、周りからすりゃ相当タチが悪いらしい。


欲しいもんは必ず手に入れる。
そういう主義はいけないことだろうか。



わからないんだ。



あの日 俺は世界一欲しいと思えるモノを見つけて。


ソレを得た。



前島友佳子。


ソイツの身につけてた剣術の免証にはそんな名前が書かれてたっけ。師範代なんだとさ。

女を抱くのに名前なんてどうでもいい…そう思ってたのに 何故だかコイツの名前は確かめたくて。



わからない。



ただ コイツを抱いたあの夜、俺は何かにひっかかった。いつもとは違う感情が芽生えたような気がした。


だから俺は ソイツを側に置くことにしたんだ。

減る一方の執事やメイド達の代わりに。
俺のおもちゃにするために。



コイツは俺の持ち物だ。

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