goldscull・不完全な完全犯罪Ⅲ
 俺は彼の話を思い出していた。
最近の彼女がおかしい。
きっと浮気をしている。
そう思い込み此処にやって来たと言うボンドー原っぱのことを。


『この頃彼女が冷たくて……、解ってます。この名前がイヤだってこと。でもやっと得たチャンスなんです』

売れない時代に支えてくれた彼女。

でもやっとデビュー出来ると思ったら、ボンドー原っぱなんてふざけた名前を付けられた。

だから彼女が怒った。


(――解る気がする)
だからそう思った。


あの時の仕事の依頼はやはり浮気調査だった。

彼はロックグループのボーカルだと言った。


『だからと言う訳でもないと思いますが、浮気を疑いまして……、この前も彼女につきまとう男性をストーカー呼ばわりしたって怒られたし……、ひょっとしたらその相手かも? などと勘繰りまして』

そう……
ボンドー原っぱは確かにそう言っていた。

あの時MAIの写真を見せられ彼女だって思わされたのか?


(――ボンドー原っぱの彼女って本当は誰なんだ?)




 俺は又みずほのコンパクトに触れながら想像力を働かせた。


(――きっとボンドー原っぱの彼女がマネージャーなんだ)

俺は勝手にそう思った。


ボンドー原っぱを殺したマネージャーは、彼にMAIの噂を吹き込んだ後、ゴールドスカルを渡した。


そのペンダントヘッドが証拠だと言って。


(――そうか。
だから彼女はあの時青ざめていたのか。

――彼女はきっと、しまい無くしたのだと思っていたはずだ。

――だから彼女は彼を呼び出して……)




 マネージャーは自分が画策したと言う証拠を消すためにボンドー原っぱをスキンヘッドにしたのだった。

彼は本当に、知らない内にツルツル頭になっていたのだった。

それは疑いをMAIに向けさせるためだった。

ボンドー原っぱが死んでMAIが捕まれば彼を落とす自信はあった。


だからMAIの写真を携帯で撮影させて、地元を選んだのだ。


でもそれに気付いたボンドー原っぱは木暮敦士の携帯に電話した。
まだその番号が生きていることに賭けたのだった。


スキンヘッドにストーカー。
その言葉に悠哉は震え、叔父さんの探偵事務所を紹介したのだった。


でもボンドー原っぱは焦っていた。

何が何だか解らなくてなっていた。


そして、あの写真を思い出したのだった。


MAIからマネージャーへ繋がってほしいと思い携帯の写真を俺達に見せたのだった。


マネージャーが自分を斬り棄てて新しくスターを育てようとしていることに気付いたからだった。




 全てはMAIの恋人を手に入れようとしたマネージャーの哀しい女の性だった。

誤って木暮敦士を殺してしまった悲劇を忘れるための決断だったのかも知れない。


そのためにボンドー原っぱを犠牲にしようとしたのだ。

俺の感だけど、ボンドー原っぱはマネージャーの恋人だったに違いない。
その恋人までも、殺人ゲームに巻き込む。
俺はそら恐ろしさを感じていた。


きっと、自分の思いとは別なところで爆裂お遊戯隊のデビューは決まったのだろう。


その途端に冷めたのだ。


でもマネージャーは更なる悪巧みをしていた。

MAIと恋人を別れさせる目的で、あのゴールドスカルのペンダントヘッドを渡したのだった。


MAIに木暮敦士と、流産した胎児を思い出させるためにそれをやってのけたのだった。


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