あなたと私のカネアイ

戸惑いと本心

 左手で髪の毛に触れながら、右手が服の中を彷徨う。

「や、円……っ、ダメって……」
「ダメ? じゃあ、抵抗して」

 熱っぽい瞳で見つめられ、私は震える息を吐き出す。
 その間も右手の動きは止まらず、ブラがグッと上へずらされてしまった。
 そのまま膨らみを優しく包み込む温かい手。あっと小さく声を出してしまった私を、円は見つめたまま……
 私は観察するみたいなその視線に耐えられなくて、顔を背けて目を瞑った。

「結愛、そういう反応は、男を煽るって覚えておいた方がいいよ」
「あ――!」

 首筋に熱い吐息がかかる。
 ぬるりとした感触に、肌を舐められているのだと気づくも、むずむずした感覚に頭がぼうっとしてくる。

「大丈夫。最後までは、しないから」

 円はそう言って、私のカットソーの裾を捲って露になった肌にたくさんキスを落とした――


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