恋のリハビリをあなたと
ふわり、ふわり、そんな、心地よい感覚から、現実へと戻ってきた。


――ギシっ


私を夢の世界から引き戻したのは、ベッドの揺れだった。


重い瞼を開くと、シャワーを浴びてきたらしい、大地さんが私に背を向けたような姿勢で座っていた。


完全に乾ききっていない髪、上半身に衣服を身に着けていない、広くて鍛えられ背中と、私が付けたであろう背中の引っかき傷が、妙に色っぽくて、見惚れてしまった。


あー、本当にカッコいい。


こんな魅力的な人に私は先ほどまで抱かれていたのかと思うと、ゾクリと、何とも言いがたい感覚に襲われた。


寝ぼけたままの私は、本能の赴くまま、ツウと彼の背中に触れた。
< 130 / 141 >

この作品をシェア

pagetop