悪魔と天使
「…………」


「まったく、あれだけ騒いでも起きないのか?二日ハンモックというものとか木を背にして寝るのが難しかったのはわかるがそれにしても寝過ぎだと思うぞ。これからは一緒に旅をするのだから危機感というものを持たせてやる。そういえば、天界にいた時に朝の訓練に絶対一人来ない奴がいたがお前だったのか。呆れたものだ。いいか………」


「うへぇ………コエー」


マルコは隣で見ていたがあまりに長いので自分も叱られている錯覚に陥っていた。


「うぅー……はーなーしーてーよーん」


「あのね、何回も誰かの寝込みを襲う人は信用出来ないの。逃がしたらまたなんかしでかしかねないからな」


「しないわよ!既成事実しか!」


「それが駄目だと言っているんだよ!」


今から5分ほど前―


「起きているか?マリ……………」


勢い良くドアを開けたガブリィが硬直する。


「ん?どうしたんだ………んおぉ?!」


マルコも続いて硬直する。


だって、さっき、自分がやられていた状況だったから。


「……………悪魔」


「……そろそろ名前で言ってくれねぇかなぁ……」


「ボケをかますな……マリクは私がはっ倒したい」


「…………必然的に俺はあのねーちゃんか……」


そして、二人同時に跳び、現在に至る。
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