ハートフル・アーツ
16
某日

校舎裏


「さて、今日も修行といくかの?」

老師が手のひらにシャボン玉を浮かべる



「…ああ。」

そう言うと幸大が目を閉じた


「む…?」

老師が幸大を見つめる



「感覚を遮断する…

相手と自分の空間を断つ…」


フッ…

幸大は孤独な空間に立つ感覚を覚える


「そして…元の世界との空間を断ち切ったまま重ねる…」


「ほぉ…

では…いくかの?」


老師が動く

「ハァッ!

セイッ!」


幸大が老師に攻撃を仕掛けた

「ぬっ!!

のほっ!?

おひょ!?」

老師がギリギリで攻撃を避ける

「武神流我術、纒・流流し…」


幸大は攻撃を仕掛けながらとある動作を行う


「風雲天龍流し!」


ゴォッ!!


「ぬっ!!」


ザァァァァァァッ!!


幸大は周囲の空気や風を集めて流し、老師へと風の塊をぶつけた



「…はぁ、はぁ。

やった…。」

幸大は手のひらに何も持たない老師を見て笑う

「見事じゃな…

ここまでとはさすがワシの弟子。」


「老師の教え方が良いんじゃないか?」


「それもあるのぉ。


幸大、たまには食事でもどうかね?」

「え?」

「ラーメンくらいならおごるぞい?」

老師が自慢げに言う

「是非とも。」

幸大が老師についていく
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