ハートフル・アーツ
「普通の人の愛が最愛の相手1人に100%注がれるなら…

私たちは約33%ずつしか愛されないってことよ…

わかってる?」

シェリーが言う


「シェリーはまだ俺のことをなにもわかってないな。


俺は300%の愛を以てしてお前らを完全に愛する。」

幸大が自信に満ちた笑みを浮かべる

「…。

これが言葉遊びって奴なのかしら?

戯れの言葉と書いて戯れ言(ざれごと)よ?」

シェリーが言う

「それは俺の愛を一生涯受け止めてから、それでもそう思ったなら…その時にまた言ってくれ。」

幸大が言う


「最後に一つ聞いていい?」


「一つどころか何でも聞いてくれ。」


「…。

フィアンセとジニーと私。

3人が命の危機となった時に…誰か1人しか助けられないとしたらあなたは誰を助ける?」


「有り得ない。」

幸大が言う

「え?」


「俺が…誰か1人しか助けられないなんて有り得ない。



夕方に公園でシェリーも会った俺の師匠が言ったんだ。


守りたいモノを全て何もかも守れる力を俺に授ける…って。


今の俺にはそんな実力はないけど…

俺は弱いから…3人のうち1人しか助けられない状況でも1人も助けられないかもしれない。



だけど…必ず…全てを失わない俺になる。


だから…もう少しだけ待っててくれない?」

幸大が言う


「まったく…日本男児は弱々しいわね。


仕方ないから…それまでは私が守ってあげるわよ。」

シェリーが幸大の頭を優しく撫でる




「私も守ってあげる。」

ジニーがやって来た


「そうだな…取り敢えず…

今日の風呂での出来事と発言をなずなに黙っててくれないと…俺が殺されるかも知れない。」

幸大が呟いた
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