ハートフル・アーツ
「なぜだ!?


才蔵はともかく…俺は確かにあやねを殺したはずだ!!」


拳聖が叫ぶ



「半造…お前にはわからなかったんだな。


自分の妻が。」

才蔵が言う


「な…に?」

拳聖こと半造は衝撃を受けていた


「お前があやねだと思い、犯し、仕置きし、殺したのは…お前の妻だ。」

才蔵が言う


「な!?

そんなバカな…」

「私はあなたが才蔵に変装したのは一目でわかりました。


そして、そのことを才蔵とあなたの妻にお話ししました。


彼女は自ら私の身代わりになると言ってくれました。



彼女は信じてました。

あなたなら自分の変装を気づいてくれる…と。」

あやねが寂しそうに言う


「そんな…」

半造が呟く


「そりゃそうだよな…

自分の妻に気づけなくて、殺してしまうなんて…」

幸大が言う


「そんな…くだらんことを!


あのバカ女は余計なことを!

結果的にあの女を殺したのは正解だが、あんな奴のせいで俺の計画が最初から失敗だったとは!!」


半造が言う


「な!?


お前、言うことはそれだけかよ!!」

幸大が怒鳴る



「黙れガキが!

そもそも、俺はあいつなんか愛してなかった!


ただ、あいつが俺のために何でもすると言うから側に置いてやっただけだ!


それなのに…

それなのに…」


「てめぇ!!」

幸大が拳を握る





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