Sweet Heart
「ん~!真智ちゃんの手作り料理、美味しい!」
「ありがとうございます!美味しいって言ってもらえて嬉しいです!」
蘭さんが遊びに来てくれたし、せっかくだから一緒に晩ご飯を食べることになった。
葵君は凄く嫌がってたけど…。
「私、一流のシェフが作る料理より、こういう家庭的な料理の方が好きなの。」
「そうなんですか!お嬢様が家庭的な料理が好きなんて珍しいですね!」
私がそう言うと、蘭さんは「まぁね」と言って軽く微笑んだ。
「でも、やっぱり家庭的な料理が温かみがあるわよ。ねっ、葵?」
「……あぁ。」
蘭さんの同意を呼びかける言葉に、葵君も少し間を置いて頷く。
そういえば、葵君や蘭さんはお母さんの手作り料理というものを食べたことがあるのかな?
…って、私、葵君のお母さんを見たことないや…。
いつか、お母さんがどんな人か聞いてみよ!
「あっ!それよりここに来た時、オートロックなはずのドアが破壊されてたんだけど何で?」
「えっ!?そっ、それは…」
すると突然蘭さんは触れられて欲しくないことを聞いてきた。
兄がやって来て壊したなんて絶対に言えない!
この後、私は必死すぎて何て言い訳したのかわからず、
なぜか「ゴリラが来て壊しました」なんて言ってしまった…。