Sweet Heart
「じゃあ、今年も代表は流唯と亜沙美で良いんじゃね?」
クラスの誰かがそう言うと、みんなも同意するように頷く。
しかし…
「残念ながら去年、優勝したカップルは出場できない決まりになっています。
だから今年は他の人でお願いします!」
委員の説明に、それぞれ"えぇ~!"と言い出し、誰か良い人は居ないか探し出した。
亜沙美と流唯以外のカップルはこのクラスに居ないし…
誰がお似合いなんだろう…
「あっ!真智と五十嵐君は良いんじゃない!?」
「「えっ!?」」
するとどこからか聞こえた女子の声がクラス中に響き渡り、一斉にみんなが私と葵君を見た。
ちょっ、ちょっと待ってよ!?
葵君は格好良いからわかるけど、相手役に私っておかしくない!?
「確かに!五十嵐は男から見ても格好良いし、榎本は黙ってたら可愛いもんな~!」
「それにこの2人、妙に仲が良いしね!」
次々に勝手なことを言い始めるみんなに対し、私と葵君は呆然とする。
その時…
━バンッ!
「それは俺が断じて許さーん!!」
武蔵が思いきり机を叩き、必死に叫びながら騒がしいのを止めた。