Sweet Heart
《…………。》
武蔵の話を聞いた後、教室は静まり返る。
なるほど…武蔵に負けたからきぃ兄ちゃんは武蔵を嫌ってるんだ。
でも何で戦う必要があったんだろう?
私は更に疑問が増えるばかりで、頭を傾げていた。
一方、葵や真智以外の生徒は…
"初めて武蔵が可哀想に思えた…"
と思うのだった。
「ん~…理由はよくわからないけど、いつかきぃ兄ちゃんも武蔵の良さに気づくよ!」
「あっ、あぁ…。」
「てか、今の話で武蔵の気持ちがわからないなんて…」
「「仕方ない。だって真智だもん!」」
私は落ち込む武蔵を笑顔で励ましていると、なぜか葵は呆れながら苦笑していた。
「では気を取り直して、ベストカップルに出場する人を…」
━キーンコーン…
委員がHRを再開させようとした時、無惨にも授業終了のチャイムが鳴ってしまった。
良かった…これで免れたかな…
私が安心し、胸を撫で下ろしていると
「私達が多数決で決めるより、真智本人が葵君か武蔵、どっちを相手にするか決めたら良いんじゃない?」
「えぇ!?」
なんと亜沙美が満面の笑顔を向けながらとんでもないことを言い出した。