Sweet Heart
いやいや!私が葵君か武蔵を選ぶなんて無理だよ!
「それもそうですね!では皆さん、大倉さんの意見に賛成してくれますか?」
《はーい!》
しかし私が抵抗する隙もなく、委員がみんなに聞き、あっさりと決定してしまった。
「私が2人のどちらかを選ぶなんて無理だよ!」
「無理なんて言わせないわよ。もう決まったもの!」
「そうそう。それに真智なら大丈夫。どっちを選んでもお似合いだよ?」
はっきりと無理だと断言する亜沙美と、優しく微笑みながら私の肩を叩く流唯。
私は力強さを感じる2人の言葉に抵抗することができなくなった。
私が相手を決めるなんて…
「では榎本さん、早めにどちらにするか決めてくださいね!」
「はっ、はい…。」
こうして私は渋々コクリと頷き、葵君か武蔵を選ぶことになった。
「はぁ…。」
「さっきからため息吐きすぎだろ。」
放課後になり、靴を履き替えながら深いため息を吐いた。
そんな私に葵君はに「気にすることか?」と言わんばかりの表情で私を見ていた。
そう言われても、一気にいろんなことがありすぎてどうしたら良いかわからないんだもん…。
考えれば考える程、頭に思い浮かぶのはきぃ兄ちゃんとベストカップルコンテストのこと…
悩まないでいられないよ…。
「真智!」
「あっ、武蔵!」
すると、部活動の格好をした武蔵が私と葵君の元へ走ってきた。