Sweet Heart
 


「……まぁ、いずれわかることよ。…多分」


「…?」



亜沙美はそう言ってはぐらかし、なぜ都合が良いのか教えてくれなかった 


すごく理由が気になるけど…いずれわかることなら良いか!




「…って!武蔵の話なんてどうでも良いのよ!

私は真智が葵君を選ばなくて良かったのかって聞いてるの!」


「私!?」



話は元に戻り、まさか私のことを言われていたことに驚いた



「自分では気づいていないみたいだけど、葵君に武蔵と出ろって言われてからずっと暗い顔してるよ」


「そんなこと…」


「あるって。それに加えあれから真智が葵君に目を合わせようとしていないのもまるわかりだから」



私は誤魔化そうとするが私より遥かに口が強い亜沙美に勝てるはずもなく何も言えない


亜沙美の力強い真っ直ぐな瞳に映る私の顔は自分ではわからないほど暗い表情で、更に私は言葉を失った



確かに亜沙美の言うとおり、何だか気まずくて葵君と目を合わすことはできなかったけど…

まさか私ってば今日ずっとこんな顔してたの?



「真智は武蔵じゃなくて葵君と出場したかったんじゃないの?」



亜沙美は頬杖をつきながら首を傾げて私に言う



「いや…コンテストには本当に葵君と武蔵さえ良かったらどっちでも良かったの…ただ…」


「…ただ?」



言葉の続きを待つ亜沙美、一旦言葉を止めた私は息を飲んで口を開いた



「なぜかすごく悲しくなった」



何でこんなに悲しくて苦しい思いをしたのか自分でもわからない…


ただわかるのは昨日も葵君に武蔵と出れば良いと言われた時と同じ痛みを感じたたことと

葵君にとって私は一体何だろう?と疑問に思ったこと…




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