Sweet Heart
 


本当はこんな安売りされている食材じゃなくて高級食材を渡したかった


だけど榎本喜一はそうやって金持ちだからといって特別なことをされると気分を悪くするだろうから、

榎本喜一行きつけのスーパーで同じ材料を買った…



"この女が偉いんじゃなくて親が偉いんだよ"


とにかく特別扱いされることが嫌で、見かえりも求めない



榎本喜一はそういう男だ━…




「じゃあ、私はこれで…」



用事も済んだし、私は榎本喜一の前から去ろうとした…


その時━…



━ガシッ!


「せっかく来たんだし、晩ご飯くらい食って行けよ!」


「なっ…!」



榎本喜一が私の手首を掴み、半ば強引に私を榎本喜一の家へと引き入れた 



私は悪いと思って必死に抵抗するが、榎本喜一のバカ力にかなうはずもなくそのままリビングへと招かれる



「おかえりー!きぃ兄ちゃん!」


「ただいま、真智!今日は客が来てるから挨拶しな!」



リビングに入ると、小学生位の女の子が榎本喜一の元へと走り寄ってきた 


そして榎本喜一が私を女の子に紹介すると、女の子は丸々とした大きな瞳で私を見つめる



「初めまして!妹の榎本真智と申します!兄がいつもお世話になっています」


「私は五十嵐蘭と申します。こちらこそお世話になっています」



小学生とは思えない程礼儀の正しい妹の真智ちゃん

おまけにかなりの美少女…


とうてい榎本喜一の妹とは思えない位可愛くて良い子だな…



「で、こちらが弟の楽ちゃんとここちゃんです!」


「弟の楽です…」


「キャッ!キャッ!」



真智ちゃんは自分の紹介を終わると子守をしていた弟の楽くんとまだ小さな赤ちゃんの心ちゃんを紹介した



楽くんは小学生とは思えない程落ちついていて、真智ちゃんと同じようにかなりの美少年で


心ちゃんはまだ赤ちゃんだけど、どことなく真智ちゃんや楽くんに似ていてすごく可愛い…



榎本喜一にはこんな綺麗でしっかりした兄弟がいたなんて意外だ…




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