Sweet Heart
ってきり真智ちゃんが作ったのかと思ってたから「美味しい」を言いまくってしまった…
でも本当に美味しかったから悔しいけど否定できないわ…
「お母さんがいないからきぃ兄ちゃんが家事をしてくれてるの!だからきぃ兄ちゃんの料理は美味しいんだよ!」
「…そうなんだ」
真智ちゃんが驚く私に笑顔でそう言って教えてくれた
そっか…お母さんがいなかったんだ…
どうりで榎本喜一が毎日買い物行ったり、ご飯を作っていたんだ
私もお母さんがいないけど使用人達がいるから家事なんかに全く困らない…
きっと榎本喜一は毎日妹や弟達の世話や家事をしなきゃいけないから大変なんだろうな
「ボケッとしてないで食えよ」
「あっ、うん!」
いつの間にか私は榎本喜一に同情をしているような目で見ていたみたいで、
榎本喜一は眉間に皺を寄せて私を一瞬見ると、すぐに目を逸らして少し機嫌の悪そうな声で言った
この時ばかりは私が悪いと思い、何も言わずにご飯を食べた
ご飯を食べ終わると、ご馳走してくれたお礼として真智ちゃんと一緒に片づけをする
その間、榎本喜一はなぜか部屋へ戻ってしまい、あと片づけがちょうど終わった頃にリビングへ戻ってきた
しかし私はそんな榎本喜一の格好を見て、顎をはずしそうになる
「あっ、あんた!何て格好をしてんのよ!」
「んぁっ?特攻服だけど何か問題あるか?」
なんと榎本喜一は真っ黒でド派手な虎の刺繍が入った特攻服を着ていた